五感で味わう和菓子
茶道に使われる和菓子はその季節によってさまざまありますが、銘(名前)がついているのが特徴です。
特に上生菓子といわれる主菓子は、色や形によって花や季節のものを表現し、銘に思いまで託すこともできます。
茶会などではテーマがありますので、それに合った銘の和菓子をオーダーメイドするのでテーマがより明確にもなりますし、客も茶席で銘と御製(菓子屋)を聞くのが心得です。
目で楽しみ、鼻で嗅ぎ、耳で銘を聞き、口あたりや味わいを楽しむ。
和菓子はまさに”五感で味わえる”のです。
茶道でいただくお菓子には
主菓子と
干菓子があります。
本来茶会は約4時間の茶事が正式なもので、
炭手前→懐石→
主菓子→中立→濃茶→
干菓子→薄茶 (注:炉の場合)
という流れになっており、昔、主菓子は懐石料理の一部デザートとしての扱いだったことが分かります。桃山時代では焼き栗、山芋、昆布、柿など野菜や果物が使われていました。
なので
主菓子は濃茶の前にいただく濃茶用、
干菓子は薄茶用ですが、今日では一般的に薄茶席だけの茶会でも主菓子が出されることが多くなっています。
主菓子を盛る菓子器。最も正式といわれているのは懐石料理のなごりがみられる『菓子碗』という蓋付きのお碗や、5段重の四角い『縁高』です。また広間での茶会などは陶器の『菓子鉢』がよく使われていますが、これも本来料理の器でした。
主菓子は基本的には一人一個ずつなので客数分しか盛りません。
【 縁 高 】 【 菓 子 鉢 】
干菓子には和三盆などの打物や州浜・有平糖・煎餅などがありますが、器には盆類が主に使われます。干菓子はお茶を何服でも飲んでいただけるように数種類・客数以上を盛ります。
ちなみに主菓子は取り箸(黒文字)がついていますが、干菓子は手で取ります。
【 干菓子 】
このように茶道において和菓子をいただくことも重要な要素のひとつとなっています。
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