扇子で結界?

夕照庵

2012年03月07日 08:53

茶道においてとても重要な道具のひとつに扇子があります。
暑いときにあおぐ為の扇子ではなく、茶道用の扇子があり、男女別に大きさも異なります。


  【上:男性用  下:女性用 】

いろんな用途がありますが、自分の席であることを示すしるしになったり、席入りの時の床の間や道具の拝見、そして正式な挨拶の時に使用します。

この正式な挨拶の時は必ず扇子を自分の膝前に置き、手をついて“真”のおじぎをします。扇子で自分と相手との間に境界線をつくり、“結界”とするのです。

元々、神社仏閣では、聖域と俗域との区別をするためや、聖域に邪気が入らないようにと結界をはるなどしています。
茶道でも、扇子で結界をつくることで、自分の領域と相手の領域を区別し、自分をへりくだり、謙虚を表しながら、相手を敬い、改まった気持ちで挨拶をしていますということを意味しています。

どんな場所でも扇子さえ持っていれば、一瞬にしてその場がきちんとした場に整うのです。
茶道では、“扇子=結界”のように道具ひとつでなにかを表現したり、合図になったり・・・と道具を見立てて、精神面まで補っているところが面白く奥深いところではないでしょうか。

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