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2011年09月22日

お茶にはテーマを

茶会など行う時はお客様をおもてなしするために、どういう目的で、
またはどういう趣向で楽しんでいただくのかということが大切です。

そのテーマを表すもののひとつが『掛け軸』です。
軸には墨蹟(禅宗の高僧の書)や消息(手紙)、画賛(絵と書)などがあります。

例えば、月の絵が描いてあったら、秋の名月の趣向かなとか、
滝や清風などは文字を見ただけで清涼感を感じられます。

茶室でよく好んで掛けられるのは墨蹟です。
これは禅語が書かれています。
茶道の開祖である村田珠光や利休の師匠である武野紹鴎らが禅も学び、
千利休をはじめ歴代千家の家元は禅宗である大徳寺で修行をし、
禅を学んでいることにも由来しています。

かなりくずして書かれてあったり読めないものもありますが、
筆の勢いや雰囲気を絵画のようにみて感じるままに楽しむのもひとつです。

特に禅語の意味は難解ですが、自身の今の状況によって解釈など
受け取り方は様々でよいのです。
そこが禅語のおもしろく深いところなのです。

お茶にはテーマを
例えば『無心帰大道』(無心なれば大道に帰す)
無心に仏の教えを修行すれば、大道=悟りの境地にたどりつく。
というのが禅の教えですが、自分にあてはめてみると、作為を捨てて澄んだ心(無の心)でみれば、進むべき道・正しい道が見えてくる・・・
あるいは、あれこれ思い悩まずに一生懸命に努力をしていれば、いずれ目標を達成できる・・・
などにも受け取れます。



亭主(茶会の主催者)がテーマやもてなしの思いを言葉にはせず軸に託し、
それを客が感じ取る・・・というところに茶会の醍醐味があるのではないでしょうか。

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